こんにちは、阿久梨絵です!
Webサイトやアプリを使っていて、ふと「 戻る 」ボタンを押す瞬間。
それは、操作に迷ったとき、間違えたとき、ちょっと安心したいとき。
でも、その「戻る」が、時々こうなっていませんか?
「あれ?さっきの画面じゃない…」
「入力した内容が消えてる…」
「戻ったら、ログイン画面に飛ばされた…」
そんなとき、私たちは静かに裏切られたような気持ちになります。
「戻る」は、安心の象徴
「戻る」ボタンは、UXにおいて“安全地帯への帰還”を意味します。
・操作ミスを取り消せる
・迷ったときに一歩引ける
・予期せぬ展開から逃れられる
つまり、「戻る」は、ユーザーの不安を和らげるための設計。
だからこそ、期待が大きいのです。
なぜ「戻る」が裏切るのか?
技術的には、「戻る」には複雑な背景があります。
| 原因 | 内容 | UXへの影響 |
|---|---|---|
| セッションの切れ | ログイン状態が失われる | 突然ログアウト画面に戻る |
| フォームの非保存 | 入力内容が保持されない | 書いた内容が消える |
| SPA(Single Page Application) | URLが変わらない | 戻ると予期せぬ挙動になる |
| キャッシュの問題 | 古い情報が表示される | 混乱や誤解を生む |
つまり、「戻る」は技術的に“戻れない”ことがあるのです。
でも、使う人はそんなことを知らない──だからこそ、裏切られた感覚が生まれる。
期待を裏切らない設計とは?
UX設計において、「戻る」は信頼の操作です。
それが裏切られると、ユーザーはこう感じます。
・「このサービス、信用できないかも」
・「また入力するの、面倒だな…」
・「次は慎重に操作しよう…」
これは、使う人の行動を萎縮させる設計にもつながります。
解決のヒント:戻る=安心を守る設計
UXとして「戻る」を安心にするためには、こんな工夫が考えられます。
・入力内容の自動保存・復元
・戻る前に確認ダイアログを出す
・戻った先の画面に「前回の状態を保持」する設計
・SPAでも履歴管理を丁寧に行う
「戻る」は、過去に戻る操作ではなく、“安心に戻る”操作。
その感覚を守ることが、UXの信頼につながります。
まとめ
「 戻る 」ボタンは、ただのナビゲーションではありません。
それは、使う人が自分の選択を取り消せる自由であり、
安心して操作できるための心理的な支えでもあります。
UX設計において、「戻る」が裏切るとき、
それは技術的な問題だけでなく、信頼の損失でもあるのです。
だからこそ、「戻る」を丁寧に設計することは、
使う人の感情に寄り添う、静かな気配りなのです。
阿久梨絵でした!
