なぜ「fu」で「ふぅ」が出ない? IME のローマ字変換の謎を解く

こんにちは、阿久梨絵です!
日本語入力 IME (Input Method Editor)を使っていて、「ふぁ」「ふぃ」「ふぇ」「ふぉ」がローマ字で簡単に入力できることに驚いた経験はありませんか?

・fa → ふぁ
・fi → ふぃ
・fe → ふぇ
・fo → ふぉ

これらは、外来語やカタカナ語をスムーズに入力するために、IMEが独自に対応している“拡張ローマ字入力”です。たとえば「ファイル」「フィルム」「フェス」「フォント」など、日常的に使う言葉が自然に打てるようになっています

ところが――

「fu」で「ふぅ」を打とうとすると、なぜか変換されない
「ふぁ」が出るのに「ふぅ」が出ないのは、どうして?
実はこの現象、IMEのローマ字変換ルールと設計思想に深く関係しています。

IMEのローマ字変換は「音節単位」が基本

IMEは「ローマ字 → 仮名」の変換を、音節(モーラ)単位で処理します。つまり

fu → 「ふ」:1モーラ
u → 「う」:1モーラ

ふぅ」は「ふ」+「う」で2モーラIMEはこれを別々に入力することを前提にしているため、fuだけでは「ふぅ」にならないのです

音節(モーラ)の補足

・モーラ(拍)は、日本語の音のリズム単位
・「ふぅ」や「ふう」は、2つの音(ふ・う)を別々に発音するため、2モーラ
・「ふぁ」は、「ふ」と「ぁ」が一体化した1音節で、1モーラ
・1モーラ=1拍として数えられ、俳句や韻律にも使われます。

試してみよう:「ふぅ」を出す方法

入力結果備考
fu「ふ」のみ
fuuふう長音になる(「ふぅ」ではない)
fu + uふう同上
huuふう「ふぅ」と見た目は同じだが、発音は「ふう」

つまり、「ふぅ」と小文字の「ぅ」を出したい場合は、「ふ」+「ぅ」を個別に入力する必要があります。

IMEが「ふぅ」を変換しない理由

IMEは「小文字の母音」を特殊なケースとして扱う(例:つぁ、しぇなど)
「ぅ」は通常「u」では出せない。「ぅ」単体を出すには「xu」や「lu」などの入力が必要
「fu」+「xu」→「ふぅ」になるが、これは裏技的な入力

「ふぅ」を正しく入力する方法

fu + xu → ふぅ
hu + xu → ふぅ

または

ふ + ぅ(直接かな入力)

まとめ

「fu」で「ふぅ」が出ないのは、 IME が音節単位で変換する設計だから。
「ぅ」などの小文字は、拡張入力や直接かな入力で対応する必要があります。
阿久梨絵でした!

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