こんにちは、阿久梨絵です!
電車の切符──その裏には、磁気で「乗車区間」「日時」「運賃」などがびっしり記録されています。
普段は見えないけれど、実はかなり高度な仕組みなんです。
その記録方式には、実は2つの“見えない技術”が使われています。
それが、F2F方式とPE方式。
今回はこの2つの方式を用いた 磁気券 の仕組みを初心者向けに解説します。
磁気券とは?
磁気券とは、切符の裏面に磁気素材が貼られた乗車券のこと。
この磁気部分に、乗車区間や購入日時などの情報が記録されていて、改札機がそれを読み取って処理します。
F2F方式とは?(Frequency-to-Frequency)
F2F方式は「周波数変調方式」とも呼ばれ、磁気の変化の“間隔”で情報を表現します。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 記録方法 | 磁気の反転間隔で「0」「1」を表現 |
| メリット | 読み取りが高速で、誤認識が少ない |
| 用途 | 改札機での高速処理に適している |
例
・「1」は磁気反転が2回
・「0」は磁気反転が1回
→ 周波数の違いでデータを表現する
F2F方式は、改札機が素早く正確に読み取るための工夫が詰まった方式です。
PE方式とは?(Phase Encoding)
PE方式は「位相変調方式」とも呼ばれ、磁気の反転タイミングで情報を記録します。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 記録方法 | 一定間隔で磁気反転を入れ、位相のズレで「0」「1」を表現 |
| メリット | 同期が取りやすく、安定した読み取りが可能 |
| 用途 | 定期券や長期利用券など、安定性が求められる場面に適している |
例
・「1」はタイミング通りに反転
・「0」はタイミングをずらして反転
→ 位相の違いでデータを表現する
PE方式は、読み取りの安定性を重視した方式で、長期利用に向いています。
鉄道ファンの“磁気データ可視化”も話題に
鉄粉を使って磁気券の裏面を“見える化”する遊びが話題に。
切符に鉄粉をまぶすと、磁気のある部分に鉄粉が付着し、F2FやPEのパターンが浮かび上がることも。
まるで“見えないデータ”を探す宝探し。
技術の奥深さを感じられる面白い試みです。
磁気券の終焉と未来
2026年度末、関東の鉄道8社では磁気券を廃止し、バーコード券へ移行予定。
F2FやPE方式も、役目を終えようとしています。
| 廃止理由 | 内容 |
|---|---|
| 維持コスト | 改札機のメカ構造が複雑で高コスト |
| 環境負荷 | 磁気素材はリサイクルしづらい |
| デジタル化 | ICカードやスマホ乗車券の普及 |
| 処理簡易化 | QRコードは印刷・読み取りが簡単 |
まとめ
F2F方式とPE方式──
それぞれが、電車の切符に命を吹き込む“見えない技術”でした。
今後はバーコードやIC化が進みますが、磁気券は“アナログとデジタルの融合”ともいえる技術。
その仕組みを知ることで、鉄道の進化をより深く楽しめるかもしれません。
阿久梨絵でした!
