こんにちは、阿久梨絵です!
LINE、Messenger、Instagram──
今や多くのメッセージアプリには「 既読 」機能があります。
相手がメッセージを読んだかどうかが、すぐにわかる。
でも、ふとこんな感覚が生まれませんか?
「既読ついたのに、返信がない…」
「読んだってことは、すぐ返してほしい」
「読んだのに返さないって、どういうこと?」
そして逆に──
「既読つけちゃった…すぐ返さなきゃ」
「読んだだけなのに、反応を求められる」
「見ただけで、責任が生まれるの?」
「既読」は、安心か、それとも圧力か?
「既読」は本来、コミュニケーションの透明性を高めるための機能です。
・メッセージが届いたことがわかる
・相手が読んだことが確認できる
・誤送信や未読の不安を減らす
でもその一方で、「既読」は“応答義務”を生むトリガーにもなっています。
UXが生んだ“即時性のプレッシャー”
現代のUXは、即時性を重視する傾向があります。
| UX設計 | 意図 | 副作用 |
|---|---|---|
| 既読表示 | 透明性・安心感 | 応答の圧力・心理的負担 |
| 通知機能 | 即時反応を促す | 常時接続の疲労感 |
| ステータス表示(オンライン中) | 利便性 | 監視されている感覚 |
つまり、「既読」は、“見た=返すべき”という無言のルールを生んでしまったのです。
人は「見た」だけで責任を感じるのか?
心理的には、「既読」は行動の可視化です。
それによって、こうした感情が生まれます。
・送信者側:「読んだなら、返してほしい」
・受信者側:「読んだことがバレた。返さなきゃ」
・第三者的視点:「見ただけで、責任が生まれる世界って苦しい」
これは、UXが“即時性=誠意”という誤解を生んでいる構造でもあります。
つながりの設計は、急かすものでいいのか?
UX設計において、「既読」は便利な機能です。
でも、それが使う人の心を急かす設計になっているなら──
それは、つながりの質を損なう可能性もあるのです。
・返信の猶予を尊重する設計
・既読を非表示にできるオプション
・「見たけど、今は返せない」ことを許容する文化
UXとは、使いやすさだけでなく、使う人の感情に寄り添う設計。
「既読」が生むプレッシャーに気づくことは、
つながりのあり方を問い直す第一歩かもしれません。
まとめ
「 既読 」は、便利な機能です。
でもそれが、“即時に応えるべき”という無言の圧力になっているなら──
それは、UXが生んだ静かなストレスでもあります。
人は、見ただけで責任を感じる生き物ではありません。
だからこそ、UX設計には「待つこと」「余白を許すこと」が必要なのです。
「既読」がついても、すぐ返さなくていい。
それを許せる設計こそが、本当のつながりを支えるUXなのかもしれません。
阿久梨絵でした!
