「ただのコピペは危険!」— カーゴカルト・プログラミング の罠

こんにちは、阿久梨絵です!
ソフトウェア開発の世界には、「 カーゴカルト・プログラミング (Cargo Cult Programming)」という用語があります。
これは、コードの意味を理解せずに、ただ他人のコードをコピーして使うことを指します。本記事では、この言葉の由来と実際のプログラミングにおける影響、そして回避するためのポイントを解説します。

カーゴカルトの由来

「Cargo Cult(カーゴカルト)」という言葉は、第二次世界大戦後に太平洋諸島で見られた現象から生まれました。

戦時中、島の先住民はアメリカ軍が空輸する物資(Cargo)が彼らの土地に届く様子を目にしました。しかし、戦争が終わり軍が撤退すると物資は来なくなります。そこで、一部の島民はアメリカ軍の行動を模倣することで、再び物資が届くと信じ、滑走路を作ったり旗を立てたりしました。

しかし、当然ながら物資が届くことはありません。なぜなら、それは単なる表面的な模倣であり、飛行機が来る本当の理由を理解していなかったからです。

この現象がプログラミングに転用され、「コードの本質を理解せずに表面的に真似ること」を「カーゴカルト・プログラミング」と呼ぶようになりました

カーゴカルト・プログラミングの例

開発現場で「カーゴカルト・プログラミング」に該当するケースは意外と多く存在します。例えば、以下のような状況が典型例です。

① コードの意味を理解せずにコピー&ペースト

開発者がインターネット上のサンプルコードをコピーし、その動作を詳しく理解せずに使用するケース
「動くからOK!」 という考え方で進めると、後にバグが発生した際に原因を特定できないことがある。

② 形式だけ整えて、本質を考えない

例えば、チームが「コードレビューをしよう」と決めたものの、レビュー時に形式的なチェックだけを行い、コードの設計やアルゴリズムの本質に踏み込まない場合。
見た目は「正しくレビューしている」ように見えるが、実際には役立つフィードバックが得られていない

③ 不必要なデザインパターンの採用

「最新のフレームワークだから導入しよう!」という理由だけで、新しい技術を採用するケース。
しかし、プロジェクトの要件を考慮せずに導入すると、過剰な複雑性を生み、かえって開発を遅らせることがある。

カーゴカルト・プログラミングを回避するための方法

この問題を防ぎ、真に意味のあるプログラムを書けるようにするためには、以下のようなポイントが重要です。

コードの意図を理解する

・コードをコピーする際は、その動作の背景や目的をしっかり把握する。

なぜその技術を使うのかを考える

・「流行っているから」「とりあえず使う」ではなく、実際にプロジェクトの目的に適しているかどうかを確認する。

形式よりも本質を重視する

・コードレビューや開発プロセスは、表面的な形だけでなく、本当に効果的なフィードバックを得るために行う。

試行錯誤を恐れない

・単に模倣するのではなく、自分で試行錯誤しながら理解を深める姿勢を持つ。

まとめ

カーゴカルト・プログラミング は、コードを深く理解せずに使ってしまう状況を指す表現ですが、これは技術選定や開発プロセス全般にも通じる問題です。
重要なのは、「なぜそれが必要なのか?」を常に意識しながら、開発を進めることです。

次にコードをコピーするとき、「これは本当に意味のある実装なのか?」と問いかける習慣をつけることで、より質の高い開発ができるようになるでしょう!
阿久梨絵でした!

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