テスト は“動作確認”ではない。信頼を設計する仕事

こんにちは、阿久梨絵です!
テスト って、仕様書通りに操作して結果を確認するだけでしょ?
そんなふうに思われがちですが、実際のテスト業務は“開発と同じくらい高度なスキル”が求められる仕事です。

この記事では、プログラムのテストに必要なスキルを6つの基本要素+αで整理し、“テストができる人”と“テストで価値を出せる人”の違いを明らかにします。

1. プログラミングスキル:コードが読めると、バグの“匂い”が分かる

テスト対象のコードを読めることで、どこが壊れやすいか何を重点的に試すべきかが見えてくる
単体テストや自動テストを書くには、言語仕様や構文の理解が不可欠
・バグ報告時に「この関数の戻り値がnullになる可能性があります」と言えると、開発者との信頼関係も築ける

2. 業務スキル:業務を知らないと、正しいかどうか判断できない

・仕様書に書かれていない“現場の常識”を知らないと、本当のバグを見逃す
・例:在庫がマイナスになるのはNG?OK? → 業務ルールを知らないと判断できない
・テスト観点を洗い出すには、業務フローやユーザー行動の理解が不可欠

3. 仕様の理解:仕様書を“読む”だけでなく“疑う”力

「仕様通りに動いている」=「正しい」とは限らない
・仕様書の矛盾や曖昧さに気づけると、設計段階での品質向上にも貢献できる
・テストケースを設計するには、仕様の前提・例外・境界条件を深く理解する力が必要

4. データ作り:テストデータは“設計”するもの

・単なる「入力値」ではなく、意図を持ったデータ設計が求められる
境界値・異常値・組み合わせ・状態遷移など、網羅性と効率性のバランスが重要
・DBの初期化やモックデータの生成も含めて、テスト環境を整える力が問われる

5. UIに関するスキル:見た目の“違和感”を言語化できるか

・「なんか変」ではなく、「ボタンのラベルが文脈と一致していない」と言える力
・アクセシビリティやレスポンシブ対応など、UI/UXの基本原則を理解していると強い
フロントエンドの構造(DOM、CSS、イベント)を知っていると、再現性のある報告ができる

6. 結果の検証スキル:期待値を“定義”し、“証拠”を残す

・「正しいかどうか」は、期待値が明確でなければ判断できない
・ログ・画面・DB・APIレスポンスなど、複数の視点で結果を検証する力
・スクリーンショットやログ出力など、第三者が見ても納得できるエビデンスを残す

テストエンジニアに求められる“横断スキル”

テスト設計力

・ 観点・条件・組み合わせを整理し、網羅性と効率性を両立する設計力

コミュニケーション力

・ バグ報告・仕様確認・レビュー依頼など、開発者と対等に会話できる力

品質への視点

・「動くかどうか」だけでなく、「ユーザーにとって安心か」を考える視点

テストは“品質を設計する仕事”である

・プログラムのテストは、単なる「動作確認」ではありません
・それは、ユーザーに安心を届けるための“品質設計”そのものです。

“テストができる人”と“テストで価値を出せる人”の違い

テストができる人は、仕様通りに操作して結果を記録する
テストで価値を出せる人は、「なぜそのテストが必要か」「どこにリスクがあるか」「どうすれば安心できるか」を考え抜く

つまり、テストとは“思考力と観察力の仕事”なのです。

まとめ

「 テスト は地味」「誰でもできる」と思われがちですが、
本当に価値あるテストをするには、開発と同じくらいの知識と、ユーザー視点の想像力が必要です。

だからこそ、テストエンジニアは“品質の番人”であり、
プロダクトの信頼性を支える“最後の砦”でもあります。

このテストで本当に安心できるか?
その問いを、今日も静かに、でも確かに問い続ける。
それが、テストエンジニアという仕事の本質です。
阿久梨絵でした!

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