こんにちは、阿久梨絵です!
Webフォームを入力していると、よく見かける「赤いアスタリスク(*)」や「赤枠」。
「ここは 必須 です」
「入力しないと進めません」
──そんなメッセージを、色で伝えてくるUI。
でも、ふと立ち止まってみると、こんな違和感が浮かびます。
「赤って、なんか怒られてるみたい」
「入力しないとダメって、ちょっと圧が強い」
「なんで“必須”が、警告みたいな色なの?」
赤=警告?それとも、注意喚起?
色彩心理において「赤」は、強い意味を持つ色です。
・危険・警告・禁止(例:信号、エラーメッセージ)
・注意・緊急性(例:火災報知器、警告ラベル)
・情熱・興奮(例:広告、セール)
つまり「赤」は、人の注意を強制的に引きつける色。
だからこそ、フォームの「必須項目」に使われることが多いのです。
UXの矛盾:なぜ“必要”が“警告”になるのか?
フォーム設計の目的は、ユーザーにスムーズに情報を入力してもらうこと。
でも、赤い表示はときにこう感じさせます。
・「入力しないと怒られる」
・「ミスしたらダメ」
・「早く埋めなきゃ」
これは、“必要”という情報が、“強制”や“罰”のように感じられてしまう瞬間。
本来は「あなたのために必要です」という優しい設計のはずが、
「あなたが間違ってる」と責められているように見えてしまう。
もっと穏やかな“必須”の伝え方は?
UXの観点から、必須項目の伝え方にはもっと柔らかい選択肢があります。
表現方法 | 印象 | 備考 |
---|---|---|
赤いアスタリスク(*) | 強制・警告 | 一般的だが圧が強い |
グレーの「必須」ラベル | 穏やか・説明的 | 視認性はやや低いが安心感あり |
アイコン+ツールチップ | 親切・補足的 | ユーザーが能動的に理解できる |
ステップ形式で自然に誘導 | スムーズ・非強制 | 入力の流れに沿って案内する |
まとめ
「赤」は、確かに目立つ。
でも、目立つことと、心地よく伝わることは、別の話です。
フォームの 必須 項目に赤を使うことは、
設計者の都合(見落とされないように)と、
使う人の感覚(ちょっと怖い)がすれ違う瞬間かもしれません。
UXとは、こうした“静かな違和感”に気づくことから始まります。
色は、ただの装飾ではなく、感情を設計するツール。
だからこそ、赤を使うときには「何を伝えたいか」を丁寧に考える必要があるのです。
阿久梨絵でした!