こんにちは、阿久梨絵です!
YouTube、Amazon、Netflix、SNS──
私たちは日々、無数の「 おすすめ 」に囲まれて暮らしています。
「あなたにぴったりの動画」
「あなたへのおすすめ商品」
「あなたが好きそうな投稿」
でも、ふとこんな違和感が生まれませんか?
「それ、私の好みじゃないんだけど…」
「なんでこれが“おすすめ”なの?」
「“あなたのため”って言われると、ちょっと押しつけがましい」
「おすすめ」は、誰のため?
レコメンド機能は、UXにおいてパーソナライズの象徴です。
・ユーザーの行動履歴を分析
・興味関心を予測
・最適なコンテンツを提示
でも、その「最適」は、本当にユーザーのためなのでしょうか?
意図 | 内容 | ユーザーの感覚 |
---|---|---|
滞在時間の延長 | 離脱を防ぐ | 興味より“引き止め”を感じる |
売上の最大化 | 購買行動を促す | “売りたいもの”が見える |
エンゲージメント強化 | 反応を増やす | “操作されてる感”がある |
つまり、「おすすめ」は、サービス側の都合が混ざった“好みの演出”なのです。
UXが生む“押しつけのパーソナライズ”
人は、自分の好みを自分で選びたい生き物です。
それなのに、「あなたにおすすめ」と言われると、こう感じることがあります。
・「勝手に決めないでほしい」
・「もっと自由に探したい」
・「“あなたのため”が、ちょっと重い」
これは、UXが“選択の自由”を奪ってしまう瞬間。
パーソナライズが、押しつけに変わる境界線です。
おすすめとは、導くことか、誘導することか?
UX設計において、「おすすめ」は便利な機能です。
でも、それが使う人の自由を狭める設計になっているなら──
それは、信頼を損なう可能性もあります。
・「おすすめ」ではなく「参考」や「人気」などの表現にする
・ユーザーが自分で選べる余地を残す
・レコメンドの根拠を明示する(なぜそれが選ばれたか)
・「おすすめを非表示にする」選択肢を設ける
UXとは、使いやすさだけでなく、使う人の感覚に寄り添う設計。
「おすすめ」が“押しつけ”にならないように、
自由と信頼のバランスを丁寧に設計することが求められます。
まとめ
「 おすすめ 」は、便利な機能です。
でもそれが、“あなたのため”という名の押しつけになっているなら──
それは、UXが生んだ静かな違和感でもあります。
人は、自分の好みを自分で選びたい。
だからこそ、UX設計には「導くこと」と「誘導すること」の違いを見極める視点が必要です。
「おすすめ」が、選択の自由を奪うものではなく、選択のヒントになるものへ──
そんな設計が、使う人との信頼を育てるのかもしれません。
阿久梨絵でした!