こんにちは、阿久梨絵です。
「デスクでは快適なのに、リビングに行くと動画が止まる」
「家族が集まる時間に、急にネットが重くなる」
そんな“ Wi-Fi の不公平感”、感じたことありませんか?
今回は、自宅内でWi-Fiの速度に差が出る理由を、物理と電波とテクノロジーの視点からわかりやすく解説します。
そもそもWi-Fiは“空気中に広がる電波”です
Wi-Fi(無線LAN)は、空気中に広がる“見えない波”で通信をしています。
スマホ・PC・ゲーム機などの端末は、ルーターから飛ぶ電波を受信して通信している状態です。
つまり、“電波が届きにくい場所”や“電波が干渉する場所”では、当然ながら速度も安定性も低下します。
リビングのWi-Fiが遅くなる3つの“構造的要因”
① そもそも電波が“届きづらい位置”にある
・ルーターとリビングの間に壁・天井・家具がある
・木造/鉄筋など建材の影響で遮断される
・ルーターが棚の奥や床近くに設置されている
Wi-Fiの電波は“直進性”が強く、障害物に弱い性質があります。特に
・水槽・冷蔵庫・金属製品
・ユニットバスやキッチンの壁面
・電子レンジなどの大型家電
これらは電波の減衰や反射の原因になります。
② 電波干渉が発生している(とくに夜)
特に2.4GHz帯は、
・他の家のWi-Fi
・Bluetooth機器
・電子レンジやコードレス電話
・赤ちゃんモニターなど
…と、あらゆる機器が同じ帯域を使っているため、混雑や干渉が起きやすいのです。
夜になると周辺の家のネット利用が増え、「なぜか夜だけ遅くなる」状態になることも。
③ リビングには“複数台の機器が集中”しやすい
・テレビやゲーム機(PS5/Switch)
・スマートスピーカー
・家族のスマホ・PC・タブレット
たとえば4人家族でそれぞれが動画を見ていたら、帯域は一気に圧迫されます。
さらに機器によっては「常時裏で通信している」ものもあるため、ユーザーの自覚なしに速度が下がるケースもあります。
2.4GHzと5GHzって何が違う?
多くのルーターは「デュアルバンド」(2.4GHz/5GHz)対応です。
| 帯域 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| 2.4GHz | 遠くまで届きやすいが、混雑しやすい | 広範囲/壁越し利用向け |
| 5GHz | 高速&干渉に強いが、遮蔽物に弱い | 近距離/動画・ゲーム向け |
リビングが5GHzの範囲外 or 遮蔽物に阻まれていると、通信は途切れやすくなります。
改善するための3つのチェックポイント
ルーターの位置を見直す
・家の中央 or 利用エリアに近い場所へ移動
・棚の上など、遮るものがない場所に設置
“中継機”or“メッシュWi-Fi”の活用
・中継機で死角をカバー
・家全体をカバーする“メッシュWi-Fi”なら、移動してもシームレス接続が可能
接続先を「5GHz」に固定 or 切り替え
・スマホやPCで2.4GHzと5GHzを分けて表示させておくと、状況に応じて選べます
まとめ
Wi-Fi の快適さは、
・家のつくり
・電波の届き方
・接続機器の数や位置
・使用する帯域
このあたりの“掛け算”で決まっています。
「ルーターからどこまでが守備範囲なのか?」
一度、見える化しておくだけでも改善のヒントになるかもしれません。
“住まいのWi-Fi”こそが、日常の小さなストレスの発生源。
そんな視点で、今日のネット環境を点検してみてはいかがでしょうか。
阿久梨絵でした!
