こんにちは、阿久梨絵です!
SNS、サブスク、ECサイト──
私たちは日々、さまざまなサービスにアカウントを作り、ログインして使っています。
でも、使わなくなったとき、ふとこう感じたことはありませんか?
「 アカウント削除 、どこにあるの?」
「何度も確認されて、パスワードも再入力…」
「なんで“やめる”のに、こんなに手間がかかるの?」
「削除」は、自由な選択のはずなのに
アカウント削除は、本来使う人の自由な選択です。
・もう使わない
・情報を消したい
・気持ちを切り替えたい
でも、その操作が面倒で、重くて、見つけにくい──
それは、UXが“離脱を妨げる構造”になっている証かもしれません。
UXが仕掛ける“離脱防止”の設計
多くのサービスでは、アカウント削除に以下のようなステップがあります。
| ステップ | 意図 | UX的影響 |
|---|---|---|
| 削除ボタンが見つけにくい | 離脱を防ぐ | 操作のハードルが上がる |
| パスワード再入力 | 本人確認 | 面倒・心理的負担 |
| 引き止めメッセージ | 離脱の再考を促す | 罪悪感・迷いを生む |
| 削除後の猶予期間 | 復帰を促す | 完了感が得られない |
これらはすべて、サービス側の都合。
「離れないで」「戻ってきてほしい」──そんな思いが、UXに滲んでいるのです。
使う人の感覚:去ることに、なぜ罪悪感?
一方で、使う人の感覚はこうです。
・「もう使わないだけなのに、なんでこんなに重い?」
・「やめることが、悪いことみたいに感じる」
・「自由に去ることが、許されていない気がする」
これは、UXが“離脱=損失”とみなしている構造。
でも、使う人にとっては、“離脱=選択”であり、“自分の意志”なのです。
去る自由を、どう設計するか?
UX設計において、「離脱」は避けたい行動かもしれません。
でも、それを妨げる設計は、信頼を損なうリスクもあります。
・削除ボタンを見つけやすくする
・手続きはシンプルに
・引き止めよりも、感謝のメッセージを添える
・完了後の余韻を大切にする
UXとは、使いやすさだけでなく、使う人の自由に寄り添う設計。
「去ること」を尊重することは、サービスへの信頼を深める行為でもあるのです。
まとめ
「アカウント削除」が面倒なのは、
UXが“離れさせたくない”という設計思想に基づいているから。
でも、使う人にとっては、
それは自分の情報を守るための選択であり、
自分の時間と感情を整理するための行動でもあります。
UX設計において、
「離脱しやすさ」は、使う人の自由と信頼を守る設計。
それを忘れずに、去ることを許す優しさを、静かに添えていきたい。
阿久梨絵でした!
