こんにちは、阿久梨絵です。
「ジェット」「チェス」「ツァイス」など、日常で見かけるカタカナ語。
でもふと考えてみると、「 ジェ・チェ・ツァ 」って五十音にない音ですよね?
今回は、そんな“特殊音”がどうやって日本語に取り込まれてきたのかを、言語と表記の視点から解説します。
特殊音とは?:五十音にない“外来音”
日本語の基本音節は「子音+母音」の組み合わせで、五十音表に並ぶ音が基本です。
しかし、外来語の増加とともに、日本語にない音(=特殊音)を表記する必要が出てきました。
・ジェ(例:ジェット)
・チェ(例:チェス)
・ツァ(例:ツァイス)
・シェ、ティ、ファ、フィ、ディ、デュ…なども同様
これらは、既存のカタカナを組み合わせて“新しい音”を表現する工夫から生まれたのです。
どうやって表記しているの?
たとえば
・ジェ=ジ(ji)+ェ(小さいe)
・チェ=チ(chi)+ェ(小さいe)
・ツァ=ツ(tsu)+ァ(小さいa)
このように、小書きの母音(ァィゥェォ)を使って、近い発音を再現しています。
これは、1991年の内閣告示「外来語の表記」でも一部が正式に認められています。
なぜ五十音にないのに使われるの?
理由はシンプル。
原音に近づけたいからです。
たとえば「チェス」を「チエス」と書くと、英語の“chess”とはかなり違う印象になります。
「ジェット」も「ジエット」では不自然。
こうした違和感を減らすために、カタカナが“音の拡張装置”として進化してきたのです。
でも、正式なルールはあるの?
実は、すべての特殊音に明確な公式ルールがあるわけではありません。
「シェ」「チェ」「ジェ」などは比較的定着していますが、
「ツァ」「トゥ」「グォ」などは環境依存やフォントによって表示できないこともあります。
また、ローマ字表記でも混乱があり、訓令式・ヘボン式・日本式で表記が異なることも。
まとめ
「 ジェ・チェ・ツァ 」などの特殊音は、
日本語が外来語を受け入れるために生み出した“表記の工夫”です。
五十音にない音を、既存の文字でどう表すか。
その試行錯誤の歴史が、今のカタカナ表記に詰まっているのです。
阿久梨絵でした!
