こんにちは、阿久梨絵です!
「間違えてボタンを押したら、画面が消えた」
「保存したつもりが、全部消えていた」
「“はい”を押したら、なぜかエラーが出た」
そんな経験、ありませんか?
そしてそのあと、こう思ったことはないでしょうか。
「私が悪かったのかな…」
「もっとちゃんと使えばよかった」
「 IT ってやっぱり苦手…」
でも、ちょっと待ってください。
それは本当に、使う側の問題だけでしょうか?
“使いづらさ”は、 設計 の問題でもある
ITの世界では、「ユーザーエラー」という言葉があります。
でもその多くは、“設計の不親切さ”が原因で起こるエラーです。
・ボタンの配置が直感的でない
・表示される言葉が曖昧で、意味がわかりづらい
・操作の結果が予測できない
・“戻る”や“キャンセル”が用意されていない
こうした設計は、使う人のせいではなく、作る側の責任です。
ITは“使う人の感覚”で設計されるべき
本来、ITは「人のための技術」。
だからこそ、設計や開発の段階で、“使う人の感覚”を想像することが不可欠です。
・このボタン、押したくなる配置になっているか?
・表示される言葉は、専門用語ではなく、日常の言葉か?
・間違えたとき、すぐに戻れる安心感があるか?
こうした視点があるだけで、“間違えて押した”が“安心して使えた”に変わるのです。
ユーザーのせいにしない設計が、信頼を生む
| 設計の姿勢 | ユーザーの印象 |
|---|---|
| 「間違えるのは使い方が悪い」 | 不安・自己否定・ITへの苦手意識 |
| 「間違えても大丈夫な設計にする」 | 安心・信頼・ITへの親しみ |
ITは、誰かを責めるための技術ではなく、
誰かの不安を減らすための技術であるべきです。
ITは“使う人が安心して声を出せる場”であるべき
・ITは道具である以上、使う人が不安なく使えることが最優先
・そのためには、“声を上げた人を責めない文化”が必要
・「使いづらい」と言えることは、改善のきっかけであり、貢献でもある
もしその声に対して文句を言われるなら、
それは技術の問題ではなく、“関係性の設計”が間違っているのです。
言い換えれば、静かな信頼を築くための配慮が欠けているということ。
ITは、使う人との距離感を丁寧に設計することで、初めて“安心して使える技術”になるのです。
まとめ
「間違えてボタンを押したら、変なことになった」
そんなとき、まず思い出してほしいのは——
それは、あなたのせいじゃないかもしれない。
それは、設計の側が“あなたの感覚”を想像できていなかっただけかもしれない。
ITは、使う人のせいにしない設計から、信頼が生まれます。
そしてその信頼が、ITとの距離を静かに縮めてくれるのです。
そしてもし、そう言ったことで文句を言われたなら——
それは、あなたが悪いのではなく、“声を受け止める設計”が足りていないだけです。
もちろん、すべてが“設計の問題”とは限りません。
「保存したのに消えた」「押したら画面が真っ暗」——こうした現象は、テスト漏れやバグによるものかもしれません。
でもそれもまた、“使う人の不安を想像できていたか?”という設計の姿勢に関わること。
設計とテストは別の工程ですが、どちらも“使う人の感覚”を守るための配慮であるべきなのです。
ITは、使う人が安心して声を出せる場であるべき。
その声こそが、技術を育てる静かな力になるのです。
阿久梨絵でした!
