こんにちは、阿久梨絵です!
「気づけば赤字…」「見積もり通りに進んでるはずなのに利益が出ない」
そんな状況に直面したとき、プロジェクトマネージャーはどう動くべきか?
この記事では、 赤字プロジェクト を立て直すための実践的な対処法を、判断の優先順位とともに解説します。
まず確認すべき:赤字の“構造”を把握する
赤字の原因は、単なる「コスト超過」ではなく、構造的なズレにあることが多いです。
原因の切り分けポイント
観点 | チェック内容 |
---|---|
見積もり精度 | 初期見積もりが甘すぎた/想定外の仕様追加があった |
工数管理 | 実績工数が膨らんでいる/属人化しているタスクが多い |
コミュニケーション | 要件変更が非公式に進んでいた/顧客との認識齟齬 |
外注・調達 | 外注費やライセンス費が想定以上に膨らんでいる |
対処法①:ECRSで“やらないこと”を見直す
ECRS(Eliminate・Combine・Rearrange・Simplify)の視点で、プロジェクト内のタスクや成果物を見直します。
・Eliminate(排除):本当に必要な成果物か?不要な帳票や報告はないか?
・Combine(統合):類似タスクをまとめて効率化できないか?
・Rearrange(順序変更):後回しにできる工程はないか?
・Simplify(簡素化):仕様や設計をシンプルにできないか?
→ 成果物の“価値とコスト”を見直し、削れるところは削る勇気が必要です。
対処法②:顧客と“仕様・スコープ”の再交渉
・「このままでは赤字で継続が難しい」と誠実に状況を共有
・追加要件や仕様変更がある場合は、追加費用の交渉を検討
・スコープを絞る代わりに、納期や品質のバランス調整を提案
→ 顧客との信頼関係があるなら、“共に乗り切る”姿勢が交渉の鍵になります。
対処法③:内部コストの見直しと再配分
・高コストな外注やツールの見直し
・社内リソースの再配置(得意な人に集中させる)
・WBSの再分解で、無駄な重複作業を排除
→ 「どこにお金がかかっているか」を見える化し、再設計することが重要です。
対処法④:赤字を“学び”に変える仕組みを残す
・見積もりと実績の差分分析を残す(次回の精度向上に)
・リスク管理表の更新:今回の赤字要因を“再発防止策”として記録
・社内レビューの実施:プロジェクト終了後に“振り返り”を必ず行う
→ 赤字は痛いですが、次のプロジェクトの成功確率を上げる“投資”にもなります。
まとめ
プロジェクトが赤字になったとき、
それは「何かがズレている」というシグナルです。
・やるべきことを減らす(ECRS)
・顧客と向き合う(交渉)
・内部を見直す(再設計)
・次に活かす(学び)
この4つの視点を持つことで、赤字を“終わり”ではなく“再起のきっかけ”に変えることができます。
阿久梨絵でした!