一歩踏み込む オブジェクト指向 “壊れにくくて、直しやすい”プログラムの設計とは?

こんにちは、阿久梨絵です。
前回は オブジェクト指向 の基本用語を「家」にたとえて解説しましたが、今回はさらに一歩踏み込んで、その設計思想がなぜ大事なのか? を掘り下げてみたいと思います。

実は、オブジェクト指向を理解すると、
プログラムが壊れにくくなり
修正・追加がしやすくなり
チーム開発もスムーズになる

…など、“作ったあとに強いプログラム”が書けるようになります。
では、具体的にどういうことなのか、一緒に見ていきましょう!

関連記事:難しそうな オブジェクト指向 がスッとわかる!「家」にたとえる基本用語解説

再利用しやすい設計ができる → クラスの分割

たとえば「ユーザー情報を管理するクラス」「注文処理を行うクラス」「請求書を発行するクラス」など、役割ごとにクラスを分けておけば

他のプロジェクトにもそのまま使い回せる
テストや保守も個別にできて、安全

という具合に、“部品”としてプログラムを組み立てられるようになります。

これがまさに「クラスという設計図を分ける」ことの恩恵です。

振る舞いと状態をまとめられる → 属性 × メソッド

たとえば「家」というオブジェクトに、

属性(状態)=色、広さ、間取り
メソッド(動き)=鍵をかける、ドアを開ける

…というように、そのものが持つ情報と、そのものができることが一緒になっている。これにより、処理のまとまりが直感的に理解できるようになります。

これがクラスごとの責任を明確にし、バグの原因を探しやすくする設計につながります。

共通点をまとめて、重複を減らす → 継承のパワー

似たような機能を持ったクラスがたくさんあると、同じようなコードを何度も書くことになりますよね。

でも継承を使えば、「親クラス」で共通の処理をまとめておいて、子クラスでは追加や上書きだけに集中できます。

たとえば

class Animal:
def breathe(self):
print(“呼吸する”)

class Dog(Animal):
def bark(self):
print(“ワン!”)

Dogはbarkできるだけでなく、Animalの「breathe」もそのまま使えます。

変更箇所が一カ所で済むので、将来的な修正にも強くなるんです。

内部のごちゃごちゃは外から見せない → カプセル化の恩恵

ボタンを押せばドアが開く
フォームに入力すれば注文できる

その裏側で何が起きているか、ユーザー(や他の開発者)が知る必要はありません

カプセル化を使えば、中の処理を“隠して”、必要な部分だけ見せることができるので…

プログラムが読みやすくなる
間違って壊される心配がなくなる
他の人が扱いやすくなる

つまり、“使いやすくて壊れにくい”コードにできるというわけです。

まとめ

オブジェクト指向はただの技術ではなく、「どうやって分かりやすく、扱いやすい設計にするか」という思想です。

クラスで責任を分けて
属性とメソッドでふるまいを整理し
継承でコードを効率化し
カプセル化で使いやすさと安全性を確保する

こうした考え方の積み重ねが、「シンプルなのに柔軟」「小さく直せて、大きく育てられる」プログラムを生み出すんですね。

なんか、ただの理論じゃなくて、使う意味がある気がしてきた
そう感じてもらえたなら、この記事はもう大成功です。
阿久梨絵でした!

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