こんにちは、阿久梨絵です。
セルフレジ で買い物をしていて、こんな経験はありませんか?
「あ、PayPayの残高足りない…じゃあ残りは現金で」
→ →→できない!?なぜ!?
実はこの「併用不可」な仕様、レジの裏側にある“設計思想”が関係しているんです。
今回は、 セルフレジ の決済端末とPOSの関係を“マイクロサービス的視点”で読み解いてみます。
セルフレジ の決済手段はなぜ“併用不可”なのか?
最近のセルフレジは、現金・クレジットカード・交通系IC・QRコード決済・電子マネーなど、多様な決済手段に対応しています。
でも、複数の決済手段を組み合わせて支払うことは基本的にできません。
これはなぜか?
答えは、決済端末がPOS本体と“疎結合”で設計されているからです。
POSと決済端末は“別々のシステム”?
セルフレジの構成をざっくり分けると、以下のようになります。
・POS本体:商品スキャン・合計金額の計算・販売記録の管理
・決済端末:支払い処理(現金・カード・QRなど)を担当
この2つは、別々のベンダーやシステムで構築されていることが多く、
POS本体は「この金額を支払ってください」とだけ伝え、
決済端末は「OK、支払い完了」とだけ返す、というシンプルなやり取りしかしていません。
つまり、POS側は“どの手段で支払われたか”の詳細を知らないこともあるのです。
なぜ“併用”が難しいのか?
たとえば「PayPayで500円、残りを現金で」といった複数手段の併用を実現するには、
・POSが複数の決済端末とリアルタイムで連携する必要がある
・各決済手段の残高・承認・取消処理を一括で管理する必要がある
・万が一の一部失敗時のロールバック処理も必要になる
つまり、POSと決済端末が“密結合”でなければ実現が難しいのです。
これは“マイクロサービス的”な設計思想?
この構造、実はマイクロサービスアーキテクチャに近い考え方です。
・POS本体:商品管理・販売記録という“コア機能”に集中
・決済端末:支払い処理という“独立した責務”を担う
・両者は最小限のインターフェース(API)で連携
・それぞれが独立して開発・更新・保守できる
このように、疎結合な設計にすることで、柔軟性と保守性を高めているのです。
まとめ
項目 | 内容 |
---|---|
併用不可の理由 | POSと決済端末が疎結合で連携しているため |
メリット | 柔軟な拡張性・保守性・セキュリティの分離 |
デメリット | 複数決済のような“複雑な連携”が難しい |
今後の可能性 | API統合やクラウドPOSで併用対応が進むかも? |
次に セルフレジ で「併用できないのか…」と感じたとき、
「これは“マイクロサービス的な設計”の結果なんだな」と思い出してみてください。
不便の裏には、ちゃんとした設計思想がある。
そんな視点でレジを見ると、日常のITがちょっとだけ面白く見えてくるかもしれません。
阿久梨絵でした!