こんにちは、阿久梨絵です。
「クラス?属性?メソッド?…なんか難しそう」
そんなイメージを持っているあなたに向けて、今回は オブジェクト指向 の基本用語を“家”になぞらえてわかりやすく解説します。
プログラミング初心者や非エンジニアの方でも、「あっ、それ知ってる!」と親しみやすく感じられる内容になっているはず。ぜひ最後までお付き合いください!
クラスとは?──“設計図”のこと
まず、「クラス(Class)」とは何か。一言でいえばオブジェクトをつくるための設計図です。
たとえば、家の設計図
- クラス:家の設計図(間取りや設備などの基本情報を定義)
- オブジェクト:その設計図から実際に建てた家
つまり、「こういう家をつくるよ!」という型=クラスがあって、そこから生まれる具体的な家がオブジェクトなんですね。
オブジェクトとは?──“実物の家”のこと
オブジェクト(Object)は、先ほどの設計図(クラス)から実際に建てられた家そのもの。
同じ設計図から建てても、「白い外壁」「南向きの庭」「広さ90㎡」など、実体ごとに具体的な情報が異なります。これが後で出てくる属性です。
「インスタンス(instance)」という言葉も、ほぼ同じ意味で使われます。
厳密には「クラスから生成されたオブジェクト」という文脈で「インスタンス」という言葉が使われることが多いですが、実務ではオブジェクトとインスタンスはほとんど同義として扱われることが多いです。
属性とは?──“家の持っている情報”
属性(Property)は、オブジェクトが持つ固有の情報のこと。
家でたとえると…
- 外壁の色:白
- 階数:2階
- 広さ:90㎡
- 間取り:3LDK
これらは「この家」の持つ情報=属性です。オブジェクトひとつひとつが、自分だけの情報をもっています。
メソッドとは?──“家ができること”
メソッド(Method)は、オブジェクトが実行できるふるまい・動作です。
家にはいろんな設備がありますよね。
- ドアを開ける
- 電気をつける
- お風呂を沸かす
これらは「家ができること」=メソッドにあたります。
継承とは?──“親の特徴を受け継ぐ家”
継承(Inheritance)は、あるクラスの特徴を引き継いで、新しいクラスをつくる仕組みです。
例:家 → スマートハウス
- 親クラス:家
- 間取り、電気、玄関など基本機能をもつ
- 子クラス:スマートハウス
- 上記に加え「自動施錠」や「音声コントロール」などの新しい機能も追加
スマートハウスは、普通の家の機能を継承しつつ、自分なりの特徴を持っています。
カプセル化とは?──“中身を隠して使いやすくする”
カプセル化(Encapsulation)は、オブジェクトの中身の仕組みを隠し、外からは使いやすくする考え方。
お風呂のボタンが好例
「お風呂ボタン」を押すだけで、お湯はり・温度調整・追い焚きなどが行われます。でも、ユーザーは内部の配管や温度センサーの動作を知らなくても使える。
これがまさにカプセル化。複雑な仕組みを“隠して”シンプルに使えるようにするのです。
まとめ
用語 | 家のたとえ | 意味 |
---|---|---|
クラス | 家の設計図 | オブジェクトの型・設計図 |
オブジェクト | 実際に建てられた家 | クラスから作られた実体 |
属性 | 色・広さ・間取りなど | オブジェクトが持つ情報 |
メソッド | ドアを開ける、電気をつけるなど | オブジェクトができること |
継承 | 家 → スマートハウス | 親クラスの特徴を引き継ぐ |
カプセル化 | お風呂ボタンで簡単操作 | 中身を隠して使いやすくする仕組み |
まとめ
このように、一見抽象的で難しそうな オブジェクト指向 も、「日常のモノに置きかえて考える」ことで、ぐっと身近に感じられるのではないでしょうか。
特にプログラミングをこれから学びたい人や、エンジニアと関わることの多い方にとって、「どうしてそんな書き方をするのか?」「なぜクラスを分ける必要があるのか?」といった考え方の背景を理解する助けにもなります。
阿久梨絵でした!