こんにちは、阿久梨絵です。
Webサイトやアプリでよく見かける「 チャットボット 」。
「質問に答えてくれる便利なやつ」くらいの認識はあっても、その裏側の仕組みや使われているデータまで知っている人は意外と少ないのではないでしょうか?
今回は、 チャットボット の基本構造から、AI型とルール型の違い、そして使われているデータの種類まで、“中の人”目線でわかりやすく解説します。
チャットボットの基本構造:3つの要素でできている
チャットボットは、以下の3つの要素で構成されています。
1. ユーザーインターフェース(UI)
・ ユーザーが入力する画面(Web、LINE、Slackなど)
2. 自然言語処理(NLP)エンジン
・ 入力された文章を解析し、意味や意図を理解する部分
3. バックエンド(応答生成・データベース)
・ 適切な回答を探し、返すためのロジックやデータ群
この3つが連携することで、ユーザーの質問に対して“それっぽい”返答が返ってくるわけです。
ルール型 vs AI型:仕組みの違い
ルールベース型(シナリオ型)
・あらかじめ設定された「質問→回答」のパターンに従って応答
・FAQや選択肢ベースの案内に強い
・想定外の質問には弱い
AI型(機械学習・生成AI型)
・ユーザーの入力を自然言語処理で解析し、文脈や意図を推論
・過去の会話ログやFAQデータを学習し、柔軟に応答
・ChatGPTのような生成AI型では、回答そのものを“その場で生成”することも可能
チャットボットが使う“データ”とは?
チャットボットが応答を生成するためには、以下のようなデータが使われています。
データの種類 | 用途 |
---|---|
FAQデータ | 定型質問への回答候補として活用 |
会話ログ | ユーザーの傾向や言い回しを学習 |
製品マニュアル・社内ドキュメント | 回答の根拠として参照 |
意図分類データ(Intent) | 「何をしたいか」を分類するための教師データ |
エンティティ辞書 | 商品名・日付・場所などの固有情報を抽出するための辞書 |
生成AI型では、これらのデータを検索+要約(RAG)して回答を生成するケースも増えています。
チャットボットの“頭脳”を支える技術
・自然言語理解(NLU):ユーザーの意図を読み取る
・対話管理(Dialog Management):会話の流れを制御
・応答生成(Response Generation):適切な返答を構築
・機械学習/ディープラーニング:過去のデータから学習して精度を向上
最近では、LLM(大規模言語モデル)やRAG(検索拡張生成)を組み合わせたチャットボットも登場し、より自然で柔軟な対話が可能になっています。
まとめ
チャットボット は、単なる自動応答ツールではなく、ユーザーの意図を読み取り、適切な情報を探し、自然な形で返す“会話型インターフェース”です。
その裏には、自然言語処理・機械学習・データ設計といった複数の技術が組み合わさっており、
「よくできたチャットボット」は、“人間のように考える”ように設計されているのです。
阿久梨絵でした!