こんにちは、阿久梨絵です。
「 アメリカ って祝日が少ないって聞くけど、本当?」
「Appleが年末に長期休暇を取るってよく聞くけど、、、」
そんなタイミングで、今年も7月4日のアメリカ独立記念日(Independence Day)がやってきました。
各地では花火が打ち上がり、在日米軍基地でも一般公開イベントが行われたりと、“アメリカらしさ”があふれる1日です。
でも実は、この祝日を通して見えてくるのは、「アメリカ=祝日が少ない」ではなく、“休暇をどう設計するか”という企業文化の違いだったりします。
アメリカの祝日は“連邦政府が定める11日間”だけ
アメリカには「国民の祝日」という法律上の仕組みは存在せず、連邦政府(Federal Government)が定めた11の祝日だけが公式に存在します。
日付 | 名称 | 内容 |
---|---|---|
1月1日 | 元日(New Year’s Day) | 新年を祝う |
1月第3月曜 | キング牧師誕生日 | 公民権運動の指導者を称える |
2月第3月曜 | 大統領の日 | 歴代大統領を称える |
5月最終月曜 | メモリアルデー | 戦没者を追悼する |
6月19日 | ジューンティーンス | 奴隷解放を記念する新しい祝日(2021年制定) |
7月4日 | 独立記念日 | アメリカ建国を祝う |
9月第1月曜 | レイバーデー | 労働者を称える |
10月第2月曜 | コロンブス・デー | アメリカ大陸発見を記念(州によっては先住民の日) |
11月11日 | 退役軍人の日 | 元軍人を称える |
11月第4木曜 | 感謝祭(Thanksgiving) | 収穫と家族に感謝する |
12月25日 | クリスマス | キリストの誕生を祝う |
…といった具合で、日本と比べるとシンプルな構成です。
でも「祝日=休み」とは限らない?
ここが一番の違い。アメリカでは、祝日に休むかどうかは各企業の判断に任されています。
・政府機関や銀行は基本的に休業
・一般企業や商業施設は“自己判断”で営業継続もOK
・州によってローカル祝日(例:セザール・チャベス・デー)も存在
つまり、「カレンダーに祝日とあっても普通に出勤」なんてことも、実は日常茶飯事。
日本のような「全員がお休みモード」という雰囲気とは、ちょっと違うんです。
Appleが“年末休暇”を導入する理由
Appleをはじめとする一部の大手企業では、12月下旬から年始にかけて1週間以上の休業(ホリデー休暇)を設けることが珍しくありません。弊社でも、AppleのApp Store審査業務が止まるタイミングに合わせて、開発やリリース計画を調整することがあるほどです。
このホリデー休暇、実は「祝日」ではなく、企業文化として設けている“自主的な休暇”。
背景には、以下のような考え方があります。
・「クリスマスと年始は家族と過ごす」ことを大切にする文化
・年内業務の調整がしやすい、まとまったオフの確保
・有給を使わせるよりも一斉に休業した方が効率的
つまり、アメリカの“働き方”は、制度ではなく文化に支えられているとも言えるのです。
アメリカの“ホリデー文化”の特徴
まとめると、こんな違いがあります。
特徴 | 内容 |
---|---|
月曜固定が多い | 3連休を作りやすくするため(例:大統領の日) |
州ごとに違う祝日もある | 例:テキサス独立記念日、セザール・チャベス・デーなど |
宗教色は控えめ | クリスマス以外は宗教的祝日が少ない |
企業文化が強い | 祝日よりも“有給の取りやすさ”が重視される傾向 |
7月4日の花火は“自由と多様性”の象徴かもしれない
アメリカではこの時期、独立記念日を祝うイベントがあちこちで開かれます。
自由、建国、そして家族と過ごす時間——。それらは、制度で与えられるのではなく、選び取るものという空気感すら感じさせます。
まとめ
「祝日が少ない国」と思われがちな アメリカ ですが、実際にはAppleのような大企業が自主的に設けるホリデーや、家族時間を重視する働き方によって、自分たちで“休む理由”をデザインする文化が根付いています。
だからこそ、次にカレンダーで「7月4日」や「11月第4木曜」を見かけたら、
「これはアメリカ人にとって“制度”ではなく“ライフスタイル”としての休みなんだな」と思い出してみてください。
阿久梨絵でした!