こんにちは、阿久梨絵です!
突然ですが、みなさんの会社では 組織変更 、どのくらいの頻度で起きていますか?
数か月おきに組織図が変わる。
部門名が変わり、上司が変わり、名刺が変わり――
でも、やっている仕事はほとんど変わらない。
「これって本当に意味あるの?」
「現場の課題は何も解決してないのに…」
そんな疑問を抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。
1. なぜ大企業は頻繁に組織変更をするのか?
表向きの理由はこうです。
・市場環境の変化に対応するため
・新規事業にスピーディに対応するため
・組織の機動力を高めるため
しかし実際には、 組織変更 が“最も手軽な改革”だからという側面も否めません。
・組織図を変えるだけで「変化」を演出できる
・成果が出なくても「まだ新体制が軌道に乗っていない」と言い訳できる
・問題の責任を“前体制”に押し付けられる
つまり、本質的な課題(戦略・文化・人材)に手をつけずに、見た目だけを変える“擬似改革”になっているケースが少なくないのです。
2. 組織変更 が“仕事”になってしまっている?
大企業には「組織企画部門」や「人事戦略部門」が存在し、
組織設計そのものが“仕事”になっていることがあります。
・組織を変えることが目的化してしまう
・組織変更の成果が評価指標になる
・組織変更を“止める理由”が存在しない
その結果、現場の実態や課題を無視した“机上の再編”が繰り返されるのです。
3. 変えるべきは「構造」ではなく「根本」では?
組織の根本を構成するのは、以下の3つです。
要素 | 意味 | 変えやすさ | 影響範囲 |
---|---|---|---|
構造 | 組織図・役割・報告ラインなど | 比較的変えやすい | 表面的な変化にとどまりやすい |
戦略 | 目標・方向性・リソース配分 | 中程度 | 成果に直結するが、構造と文化に依存 |
文化 | 価値観・行動様式・空気感 | 最も変えにくい | 組織全体に影響し、行動を支配する |
構造だけを変えても、文化が変わらなければ人は動かず、戦略が曖昧なら構造も機能しない。
つまり、「何を変えるか」ではなく「何が噛み合っていないか」を見極める目が必要なのです。
4. 現場が感じる“うやむや感”と徒労感
・「前の体制で何がダメだったのか」が説明されない
・「新体制で何が変わるのか」が曖昧
・「また変わるかもしれない」と思うと、本気で取り組む気が失せる
こうして、現場は“変化疲れ”と“無力感”に陥っていきます。
そして、本当に必要な改善提案や挑戦が生まれにくくなるのです。
まとめ
・ 組織変更 は、本質的な課題から目をそらす“逃げ道”になりやすい
・頻繁な変更は、現場の信頼とエネルギーを削る
・組織を変える前に、構造・戦略・文化の“噛み合わせ”を見極めることが先
「組織を変えたから、きっと良くなる」
そんな幻想にすがるのではなく、
“変えるべきは構造か、文化か、戦略か”を見極める目を持つことが、
本当の意味での組織変革の第一歩です。
阿久梨絵でした。