プロ将棋の 評価値 とは?仕組みを徹底解説!

こんにちは、阿久梨絵です!
プロ将棋の対局では、「 評価値 」 という数値が表示されることがあります。これは、現在の局面がどちらに有利かを数値化したもの であり、AIが盤面を解析して算出します。評価値(先手番視点)は、先手が有利ならプラス、後手が有利ならマイナス で表され、数値が大きいほど形勢がはっきりしていることを示します。

例えば、評価値+500 なら先手が有利評価値-300 なら後手がやや有利という意味になります。ただし、評価値が高くても実際に勝てるとは限らないため、慎重な判断が必要です。

評価値の計算方法

評価値は、AIが局面を解析し、どの手が最善かを判断するための指標 として使われます。主な計算方法は以下の通りです。

1. 局面の要素を数値化

AIは、以下の要素を考慮して評価値を算出します。
駒の価値(歩より飛車の方が価値が高い)
駒の位置(攻めや守りに有利な配置か)
王の安全性(玉が危険な位置にいるか)
持ち駒の有無(手駒が多いほど有利)

これらの要素を関数化し、盤面の状態を数値化することで評価値を計算します。

2. AIの探索アルゴリズム

AIは、次の手を決めるために膨大な局面をシミュレーションし、最善手を選びます。主な手法は以下の2つです。

ミニマックス法

すべての可能な手を探索し、最も有利な手を選択する方法相手の最善手も考慮しながら評価値を計算する。

ディープラーニング(機械学習)

過去の棋譜を学習し、勝率の高い手を選択する。AIが自ら対局を繰り返し、最適な手を見つける手法

特に、AlphaZero などの最新AIは、ディープラーニングを活用して評価値を算出しています。

古典的なAIはミニマックス法(多くはα-β法)で局面を評価しますが、AlphaZeroのようなAIはモンテカルロ木探索とディープラーニングを組み合わせて判断します。
AlphaZeroは「評価値」を直接出すのではなく、「勝率の予測値(ポリシー・バリューネットワーク)」を用いて自己対戦し、強化学習します。(2025.5.19修正)

評価値の限界

評価値は強力な指標ですが、必ずしも勝敗を決定するものではありません。例えば、評価値99-1の局面でも、人間が正確に指せなければ逆転される可能性がある ため、慎重な判断が求められます。

また、AIは「詰みがあるかどうか」を評価値に反映することが難しく、長手数の詰みを見落とすこともあるため、プロ棋士の直感や経験が重要になります。

最新の将棋AIは「詰み探索専用のルーチン(詰み探索エンジン)」を搭載しており、詰みがある場合は評価値ではなく「詰みあり」と明示する設計が一般的です。詰みが存在する場合、多くのAIは「詰みあり」と表示しますが、詰みまでの手数が非常に長いと見逃す場合もあります。(2025.5.19修正)

まとめ

プロ将棋の 評価値 は、AIが局面を解析し、どちらが有利かを数値化したもの です。
駒の価値・位置・王の安全性などを考慮して計算
ミニマックス法やディープラーニングを活用
評価値が高くても、実際に勝てるとは限らない

将棋AIの進化により、 評価値 の精度は向上していますが、人間の直感や経験が勝敗を左右する場面も多い です。これからも、AIと人間の戦いは続いていくでしょう!
阿久梨絵でした!
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2025.5.19訂正
・評価値+500なら先手がかなり有利、-300なら後手がやや有利という目安になりますが、この数値はAIの種類や設定により変動します。

 

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